大地と星輝く天の子〈上〉 (岩波文庫)小田 実

人はソクラテスをどう裁いたか。
ソクラテスを排除しようと暗躍する男 仕立て上げられた告発者
金目当てで裁判に参加する陪審員たち 退屈しのぎの傍聴者たち
自堕落な生活を送る人々 自ら思考することを放棄した市民たち
ソクラテスの言葉も彼らの心には届かない ・・・皆 自分の事で頭がいっぱい。
聞くこともしないし考えることもしない。そもそも知ろうという気もない。
そのくせ雰囲気にだけは敏感で周囲に同調しやすく その場の空気に無自覚に流されて
無思考状態で大切な判断を下してしまう。う〜ん 今の日本も同じ感じですね。
報道や雰囲気にのみ込まれて よく考えもせず知ろうともしないまま意見をいう、判断する。
でもって自分がほとんど無思考で流されているだけだという自覚がないから たちが悪い。
自分も偉そうなこと言えません。 ちゃんと生きよう うん。
などと考えつつも ニヤリ読みはしてたりして。雰囲気大好き v コラ スイマセン
放蕩暮らしの自由市民アガタルコスという青年と
彼の家で奴隷として使われているガストロンというエジプト人青年との関係が
スリリングで素敵です。
自分の内に確かなものを見出せず悶々としているアガタルコス。
革命を目論み暗躍しているガストロンを 「 無駄なことをする 」 と見下し嘲りながらも、
彼の視線に引き付けられ、その微笑に翻弄されていく ・・・
アガタルコスは美少年スキーでお稚児さんもいたりするんですが
そっちよりもガストロンとの場面のほうが魅惑的でした。