卓球のニュースで水○隼選手の名前を見て思い出しました。
水谷 “ 準 ” 氏。
『 新青年 』 の編集長を務められ、自身もミステリ作品を発表。
戦前戦後と活躍された作家さんです。
この方の 『 お・それ・みお 』 はとってもイイんです。
短編なので内容には触れないようにと思いますが ・・・
小暗い狂気の浪漫的悲劇とでも言いましょうか。
病をえて急逝した娘。残された婚約者。彼の親友であり亡くなった娘の兄でもある青年 ・・・
物語の始まる時点で既に娘は儚くなっています。
彼女の死を哀しみ苦しむ婚約者・草場青年と彼を想う親友。彼らの姿が切なくイイのです。
「 親愛なる理髪師 」 って 罪作りだよぅ草場さん。
タイトルの お・それ・みお は 『 ’O sole mio 』 ナポリ民謡です。「 私の太陽 」
晴れた空の美しさを讃えつつ、「 それよりも一層輝かしい存在 」 と
愛しい人を太陽に喩え歌い上げる大らかな歌。
作中でこの歌を草場氏が高らかに歌い上げる場面があるのですが
それが “ 巧みなテノールで素晴らしい ” と書かれているにも係わらず
痛みと悲しみに満ちていて、どこかしら不安感を煽るものに感じられます。
この歌が2人の青年の胸の内を痛く苦しく切なく語るのです。
最後の 夜空への叫び がほんと切ないんです。
私は
昭和ミステリー大全集〈上巻〉 (新潮文庫)
で読みました。
日本探偵小説全集〈11〉名作集 1 (創元推理文庫)
にも収録されているそうです。
公立図書館になら どれかしら収録本があるのではないかと思うのですが ・・・
他に ちくま文庫から怪奇探偵小説名作選 の3巻として水谷準集が出ていたようですが
こちらは絶版状態のようです。読みたいなぁ。