神曲 煉獄篇 (河出文庫)ダンテ 訳:平川 祐弘


ウェルギリウスとダンテの旅その2
地獄を抜けて辿りついたのは “ 浄化の為の苦罰 ” を受ける者たちの世界。
重たい石を背負わされて歩く人々とか 火の中を歩き続ける人々とか
結構エライ罰が繰り広げられているのだけれど
救いは “ 生前の罪深い行いを悔いる時間を過ごす為の場所 ” であるということ。
ここにいる人たちはいつか時がくれば天国へ入ることが約束されているんですな。
まぁ 苦行の時間はもの凄い永い時間、ン百年単位なんで辛いっちゃ辛い場所。
でも生きている誰かが自分の為に祈りを捧げてくれたら
その分苦行時間が短くなるってんで皆さん “ 生き身の者ダンテ ” に
人間界へのお言付けを頼むんです。
その会話等々が綴られていく煉獄篇。
ウェルギリウス先生も幾分不案内な世界なので
「 上へいくにはどっちに行ったらいいの?」 などと亡者さんたちに尋ねながら進みます。
その時 亡者の皆さんが一様に 「 この者(ダンテ)には影があるぞ!」 って
驚くのが面白い。
(魂の皆さんには影が出来ないのですが肉体の滅んでいないダンテには影があるんです)
今回もダンテさん ウェルギリウス先生に引っ付きっぱなしで可愛らしい。
先生だの慈父だのと慕いまくりです。
ただ地獄の時と違ってウェルギリウス先生、
質問されても明快に答えてくれないことが多くなりました。
「それは私ではなく天国で待ってるベアトリーチェに聞きなさい」って。
このベアトリーチェさんこそが
ダンテの死後巡りのお守り をウェルギリウス先生に頼んだお人。天国で待っています。
なのでウェルギリウス先生は今回の煉獄まで。天国の入り口で彼女とバトンタッチです。
元々ウェルギリウス先生は天界へ入れない人ですから仕方ない。
でも残念。
ダンテさんもウェルギリウス先生がいなくなると泣いちゃいます。
そしてベアトリーチェさんに叱られます(笑) ベアトリーチェさん結構怖いです。
地獄篇ほどの勢いはない感じでしたが
仲良し師弟の登山道中記 的な楽しみのある煉獄篇でした。
残るは天国篇のみ。 でももうウェルギリウス先生いないし ・・・
地獄篇レビューはこんなでした →
神曲<地獄篇>