抜け参り薬草旅出久根 達郎

頃は天保元年
日本橋の瀬戸物問屋の小僧・洋吉はお陰参り一人旅の道中にあった
ところが慣れない旅で水に中ってしまい下りっ腹を抱えて草叢で難渋していた時
あろうことか蝮に狙われて万事休す そこへ薬草採りの男が現れて …偶然知り合った薬草採りの庄兵衛(謎の中年男)と洋吉(ウブな16歳)が
共に旅することになり その道行きで出会う小事件を片付けていく道中記。
洋吉くんがもの凄い初心です。16にもなりながら晩熟というのか純というのか …
“ おねしょが治らない ” という弱点をもつ子ですから
布団=おねしょの恐怖 という思考回路のせいで 枕並べて云々 の世界にまでは
まだ気がまわっていないというところでしょうか。
( 肉体的には成長してるのよ お風呂の中でアレですから … )
そんな初心な洋吉くんに慕われ すっかり懐かれちゃったのが薬屋・庄兵衛さん。
薬草やら蝮やらといった薬作りの材料を採取しながら旅をしている ちょっと謎めいたおじさん。
薬の知識は底知れず、腕もたち知恵もまわる。笑顔が素敵な頼もしい男。
成り行きで助けた洋吉くんの 「 お供させて 」 の願いを聞き入れ
自分の旅の道連れとして連れ歩きます。
この2人の仲良さげな雰囲気がイイです。
庄兵衛さん 「 お前は、うぶで、かわいいよ 」 ってどんな殺し文句ですかv
きょっと〜ん としてる洋吉さんに代わって私が仰け反りましたよ。ひぃ〜v
野郎色濃くいくのかと思いきや、旅の途中で女の子たちが合流しまして、
そのままずっと同行しそうな展開だったりするんですが… だったり
その後の第六章の冒頭での治療場面もイイ雰囲気だったり と
“ 歳は離れていても親子にゃ見えない2人 ” の旅はとってもイイ感じ。
ただ 書き下ろしの第七〜九章になるとちょっと感じが変わってきまして (う〜ん)
まぁ最後ちゃんと納まるところに納まって それはそれでいいんですが
庄兵衛さんが勿体無い終わり方だなぁ と。
それまでの雰囲気からしたら庄兵衛さんってもっと色々あってもおかしくない男だったのに。
いっそのこと 書き下ろし部分のみに登場の人・紀平さんの アレ を
庄兵衛さんに割り振って書いてくれてもよかったのに …
などと 最後に来てちょっと気抜け感があったりもするんですが
その書き下ろし部分にも 「 大事な人らしいね 」 「 はぁ 」 なんて素敵会話があったりするから
ま、全部 ヨシ ってことで。
60年に一度の抜け参り って 奉公人がドッと出かけてしまったら
お店のほうは大丈夫だったんでしょうかね 実際どんな感じだったんだろう 面白い♪