南洋で座礁し、サンフランシスコで競売にかけられている難破船を
実業家ジム・ピンカートンとその友人ラウドン・ドッドは激しい競り合いの末、高値で落札した。
その船には大金を生む物が隠されていると信じる2人。
しかしその難破船がもたらしたものは あまりにも不可解な謎の数々だった ・・・『 大人版 宝島 』 ( 作品案内より )
あの 宝島 のスティーヴンスンが継子と共に著した海洋冒険ミステリー作品。
う〜ん ミステリー ・・・ なんだけど ミステリーらしくなるまでが長いながい。
芸術家になることを夢見ていたラウドン青年の生い立ちからパリでの修行時代の話、
そこでのピンカートンとの出会い、食い詰め生活、アメリカでのピンカートンとの事業話 ・・・
難破船が出てくるまでで 紙数半分使っちゃってるよ。
で ミステリーらしくなるのは 船の話が登場してからなんだもの。
「 ミステリーを読むぞ 」 と意気込んで執りかかると気分はグズグズになるかもしれません。
でも ちゃんと犯罪小説。
読み終えて振り返れば “ 金!金!金!欲望!血みどろ ・・・ ”
それでも全体に漂うノンビリ感は スティーヴンスンの味 なのですかね。
さて 主人公のラウドン・ドッド青年。
彼は生来 人好きのする、 “ 人生なんとなく上手くいく ” タイプ。
親友ピンカートン始め、曲者船長や悪徳弁護士 諸々 ・・・ 皆ラウドンを気に入ります。
これだけ皆に好かれる青年ならば 乙女の1人も言い寄ったりしそうなものですが
ラウドンの周りには女性は影すら現れず。( ピンカートンは恋愛結婚しちゃうのに )
いや パリで、女性と関わる出来事が起こってはいるんです。
でもその出来事は “ ラウドンとピンカートンが出会う為 ” のものでしかなく。
女性と交際が始まることになるのか と思いきや、
ラウドンはピンカートンと語りあい、2人は親友関係に傾れ込む。ちょっと面白い展開です(笑)
大人版宝島 という謳い文句にあまり期待せず、ミステリー気分は薄めに
ニヤリへの期待もぬる〜く保つくらいの感じでお楽しみください。