SF短編集。7作品収録
SFといっても SFちっくな世界を舞台にした恋愛作品 といった感じ。
男女の愛、家族愛、秘密の愛
いろいろあって全部がなんとも切なくて でもただただ悲しいではなく ・・・
表題作 「夏の涯ての島 」
歴史改変もの。
『 1940年、第一次大戦でドイツに敗れた英国はカリスマ指導者の登場により全体主義国家となり
モダニズム(=ファシズム?)に支配され、人種差別やゲイ迫害が横行している。
主人公はゲイの老歴史学者グリフ。かつて愛した青年フランシスを忘れられずにいる。
カリスマ指導者のジョン・アーサーはグリフの元教え子。しかしそのジョン・アーサーは実は ・・・ 』
元々は長編として書いたものを中篇の尺に縮めたのだそうです。
ガッツリ長編で読ませてくれてもよかったかもしれないな。ちょっと物足りない気も って
長編だと饒舌になりすぎて かえって味わいが薄れてしまうのかな?
内容は うっかりした一言で思いっきりネタバレしてしまいそうなので多くは語らず ・・・
戦争、迫害 繰り返される歴史 同じ轍を踏む愚かな人間
昔の愛 夢 忘れようとしても忘れられない 捨て去れない想い
諦めともどかしさに震える心。
ドロドロがっつりなゲイ小説ではありませんです。
ほかには
『 帰還 』 ( 宇宙での特殊任務によって生ける死者となった男の物語 )
『 チョップ・ガール 』 ( 悪運をもたらす女と九死に一生を拾ってくる兵士が愛し合った時 ・・・ )
が好みでした。
『 わが家のサッカー・ボール 』 のなんともいえない感覚も。
息子たちが “ サッカーボール ” を蹴って遊ぶ姿を微笑んで見守る母。シュールです。