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妄想力を使えば見つかる妖しい仲の男たち |
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2008
02.02 通訳
ジュネーブの国際機関での通訳サービス部門。 16ヶ国語を操るベテラン通訳者が会議中に異常な言語を発しはじめ、職場を解雇された。 その男は 「同時通訳の仕事を続けさせてくれ」 と責任者である上司・ベラミーに懇願するが 聞き入れられないとなるとベラミーの前で奇怪な言語を叫び、その後失踪してしまう。 狂気を思わせるその言語は伝染性があり、自分も侵されつつあることに気づいたベラミーは サナトリウムで言語療法を受け、そもそもの元凶たる通訳の男を探し出すべく 男の残したリストを頼りに旅に出る ・・・ 読み進んでいくうちに 「 真面目に読んでいる自分はひょっとして すっごい勘違いしてるのかな? 」 と 変な気分が湧いてくる一冊。 出版社サイトでの作品紹介文を読んで受けた印象は 『 シリアスで幻想的な ( もしかしたら少々難解ですらあるかもしれない ) 作品 』 作品の冒頭でも 「 これはわたしの破滅の物語だ 」 と超シリアスな告白を思わせる。 だから そのつもりで読むじゃないですか。 それを、見事にスカしてくれるんです。ええ、力いっぱい。 ほんと 「え?」 ってなります。ぽっか~ん とします。 凄い 最初はほんとにシリアスなんですよ。 男が奇怪な言語を発するときの苦しげな表情や身を捩る姿に恐怖感を覚えるほどに。 それが 『 伝染性がある 』 ときた辺りから 「うん?」って感じになって、 言語療法の説明をする博士の言葉に 「 もしかして真面目な顔してスッ呆けてたりする?」 と妙な気分になり始め、 怪しい治療やカウンセリング仲間たちとの交流辺りで展開のレールに呆然と乗ったまま、 放浪するベラミーのトンでもない目に遭いっぷりに 「 わぁ~~っ 」 となったところへ あの ベラミーさんのそれまでの苦労ぶりを思うと可哀想すぎるというか可笑しすぎるといおうか。 本人はもの凄い悲壮に告白してるから笑っちゃいけないのか。 この きょっとーん ぶりは是非読んで味わってみてください。 !注意! これ以降では オチ部分ネタバレしてます。 通訳の男がベラミー局長に理解されようとつけ回す感じとか、 男を憎んでもよさそうな状況に追い込まれても尚、憎めないベラミーさんとか オチの部分とかに滲む、彼らの間の奇妙な微妙な繋がりが面白い。 ベラミーと再会した通訳の男が勝ち誇った声で 「 ようこそ! ・・・ 局長、言ったでしょう。みつけたんです! 」 って言うのを見て なんか へなへな~ って気分になったと同時にホッとしちゃって。 これはベラミーの気分なのかな? 自分の人生棒に振って 命辛々辿り着いたベラミーさん。あぁそれなのに、 不幸の元凶の男が明るく元気に 「 局長~ 」 って。もう局長じゃないよっ!(笑) 結局 狂気の男 に見えていた男が一番まともな人だったのね。 そうと判れば 恐ろしく思えていた彼がとっても可愛いい奴に見えてきましたよ。 ベラミーさんからすれば、男を憎んだり恨んだりしてもよさそうなものなんだけど、 結局嫌いになれないで 彼のもとに居付いちゃう。 その後の生活を冒頭ではもの凄い悲劇的なもののように語ってたけど、 そこでの暮らしって そんなに悪いものでもないんじゃないの? だってそこ 癒しの存在に囲まれてもの凄い平和だし ね。
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