友情が今より熱くて深いのだ 音高く流れぬ〈第1部〉わかき獣たち (1958年) / 村上 信彦関東大震災後の混乱のなか起きた甘粕事件で主導者を失ったアナキズム運動が
集団組織的に活動を始めた昭和の初め。
旧制中学4年の清水俊三郎が 思想の闘いや現実の生活に揉まれながら
友情や愛情に悩み、 しがらみや時代の力に立ち向かう姿が描かれた長編小説。
昭和15年の作品です。絶版状態。図書館にはあるのではないかと。
労働者 とか 自由主義 とか 無政府主義 とか アカとかいった言葉が頻発します。
そういう時代の青年の姿を描いた作品なので決して明るくないし、読みやすくない(苦笑)
でも自分の考えを語ることに照れたりしないで 熱く議論する若者たちが素敵です。
弁が立つ者 陽気な者 思慮深い者 衝動的な者 色んなタイプが集って
共感したり反発したり 敬遠したり縋ったりする。
で
そういう当時としては極自然なことだったんでしょう、美形の級友に恋慕する者がいたり、
親友に特別な感情を抱き その友の為に決闘したり、手紙の文字に衝動的にくちづけする青春。
飛び級して高校進学した美少年は学寮でお稚児さんにされるのは “ 当然 ” のことらしい。
禁忌とか秘め事とかでなく そういう感情、関係は普通のことだったんですね。
もう一冊 こちらも図書館から。
十二階崩壊 / 今 東光凌雲閣ものと思って読んでみたら 「 今東光さんえろっ 」 という思い出話だったので
ちょっと驚いた本。
この本にも学友との稚児関係の話が出てきました。
東光さん中学時代の思い出として もの凄く当たり前な感じで。
ただ 「その後女性を知ったら皆そっち(異性)へ好みが移行していく」 ってなことも書いておられる。
当時の学生さんたちにとっては青春時代の通り道って感じだったんですかね?
微萌度:
★★ ( 『音高く・・・』第一部はとっても“そういう”青春です。あとはそうでもありませんが・・・
全四部 ラストはちょっと衝撃的でした )