後にも先にも “ 船長 ” だけ曲芸で日々の糧を得ながら生きてきたハリドンが学んだ事
「 誰も信用してはいけない 」
そんなハリドンが唯一心を許す相手 “ 船長 ”
曲芸をしている時と “ 船長 ” といる時間だけ安らぎを感じることができる
しかしある夜 その “ 船長 ” が ・・・「 スウェーデンからやってきた現代のおとぎ話 」
おとぎ話というには 全体に漂う独特の空気が暗いのですが
「 ムーミンの世界からインスピレーションをうけて書かれた 」
と言われて なるほどね と。
トーべ・ヤンソンの描くムーミンにも 薄暗いムードというか
少し湿気を含んだ空気のシットリ重い感じがありますもんね、よく似てる。
スウェーデンのおとぎ話って皆こんな感じなのかしら?
さて、微萌所は ハリドンと “ 船長 ” です。
作品紹介でグイッと きましてね(笑)読んでみて 「 あ〜 イイわ 」 と。
人を信じない少年・ハリドンが唯一 失いたくないと思う人 “ 船長 ”
2人は人生の 少し良い時 と 悪い時を共に過ごしてきて
今も一緒に暮らしています。
彼らのこれまでの人生は ぽつぽつと回想の形で語られるだけで
どんな風に育ったのかも 家族がいるのかどうかも分かりません。
ただ “ 船長 ” の胸中には燻り続けている夢があり、
ハリドンはそれがどんなものなのかよく知らないままに
「 いつか自分を残して去ってしまうのではないか 」 と不安に感じていて
ついにその不安が現実のものに? というところから物語が始まります。
荒れる海辺で叫ぶハリドンが切ないです。
重く暗い世界に 灯台の光が暖かいです。
皆どこか寂しくて 互いの寂しさも分かっていて
想いをそっと抱えたまま 何も言わずに傍にいる ・・・
ちょっと切なくて暖かい 大人のおとぎ話。
原題は 『 ESPERANZA 』
スペイン語で 希望 という意味だそうです。
微萌度:
★★★ ( ハリドンと子犬もイイです。段々心が通うというのはイイものです。
普通に人語を話す子犬。唐突なんで驚きました )