“ 幸福の王子 ”像とツバメが紡ぐ愛の物語O・ワイルド著 【 幸福の王子 】 ←青空文庫で公開しておられます。
ワイルドの有名どころ短篇童話。
かつて人として生きていた幸福の王子。
王宮に暮らし、外の世界など見たこともなく、何も知らず幸せに生きていた王子。
今、町を見下ろす場所に立ち、人々の苦しみや悲しみを見つめ続ける。
ツバメがびしょ濡れになるほどの涙を流す彼が痛ましいです。
そんな王子と出逢い、エジプトへと逸る自らの思いを枉げて
町に残り続けたツバメ。
別れの時、手にキスをする許しを請うツバメに
「 キスは唇にしておくれ 」 と願う王子。
キスの後、王子の足元でツバメが死ぬと同時に割れる王子の鉛の心臓。
ツバメの死を感じた瞬間、張裂けてしまった王子の心。
あぁ なんて悲しい童話だよぅ。
神の救いのオチが付いてますが、
神の庭園と黄金の都 って違う場所を言われちゃったおかげで
王子とツバメは一緒にいられないんじゃぁ なんて悲しい気分が抜けきらず ・・・
神の元で永遠に一緒にいられるんだって意味なんでしょうけど ね。
自己犠牲の心を教える教材として とり上げられたりする作品ですが
そういう風に人道教育的なお話に読んでしまうのは もったいないというか、
ちょっと違うんじゃないかな と思います。
子供の頃に読み聞かされて 「 説教臭くて好きになれなかった 」 と言う友人がおります。
そういう印象をお持ちの方は 一端その記憶を忘れ去って初読の気持ちで読んでみてください。
説教臭さとは無縁の読後感が得られると思います。微萌度:
★★★★ ( 児童向けに翻訳されたものでは
キスの件がカットされてるものがあるので要注意ですな。美しいシーンなのにねぇ )
御伽噺だけあって、躊躇のない愛情表現がとっても素敵でした。
自己犠牲というよりも、王子様とツバメさんの愛の深さがありましたよね。
私ももう一度読み返してみようと思いますー。