妄想力を使えば見つかる妖しい仲の男たち

 ロビンソン・クルーソー 

ロビンソン・クルーソー (福音館文庫)
Daniel Defoe Bernard Picart 坂井 晴彦
4834006239


『 ジョーカー・ゲーム 』 を読んで これ読みたくなりまして(笑)
児童向け版しか読んだことがないんですよ。今も生憎と児童向けのものしか手元になく …
福音館書店版 坂井晴彦氏訳 です。
第一部のみを纏めたもので、説教臭い部分や繰り返しのクドイ部分は端折ってあるんだそうな。
それでも充分に神ネタ満載。端折ってこれですから原作まんま読んだら
ウンザリってなるのかしらね(苦笑)
でもそのうち完訳版を読んでみたいです。フライデー登場以後を重点的にね!

フライデーとロビンソンはもう もの凄いことアレですよね。

フライデーのことを激しく気に入ったロビンソン。
今回読んだ版では出逢ってすぐに12行使って賛美してます。
対して ロビンソンのことを “ 恩人 ” と敬い、慕い続けるフライデー。
2人きりの生活は3年に渡り … 

自己中思考で 「 俺、王様 」 って決め込んでて自己満足 自分賛美を無意識に繰り返し、
終始 “上から目線 ” の 「なんだこいつ」 な奴 = ロビンソンと
ロビンソンが “ 蛮人 ” と蔑む種族の人間で 年齢も遥かに下 だけど
懐大きく分別のある立派な男 のフライデー。
「 ご主人だ 」 って悦にいってるロビンソン と 「 恩人だ 」 と慕って命捧げているフライデー。
微妙に意識にズレがある けど、言葉のコミュニケーションは完璧ではないままだし、
ロビンソンは頭っから 「 俺ご主人 」 と思って疑わないし、
フライデーにしてみれば そんな意識のズレなんてどうでもいいことだろう。
ってわけで 微妙な意識のズレをそのままに送られる日々 …
なんだよ 凄い微笑ましいっていうか 甘々だぞ ニヤリ
「 自分の島に帰れ 」 って言われたフライデーが涙流して拒むシーンなんて
色々アレすぎて身悶えますぜ。

久々に読んで フライデーがそれほど若造でもないことに改めてニヤリとしました。
私 大人スキーなもんですから。
児童向けだけでも色んな出版社から色んな方の翻訳で出ている作品だから
どの版を手にするか ってだけでもニヤリ度は違ってくるのでしょうね。
福音館・坂井氏訳版はフライデーの口調も可愛く、ロビンソンの愛情の吐露も素直で
なかなか素敵にニヤリです。
掘り出し物求めて あれこれ読んでみたい作品です。

ロビンソン・クルーソー―完訳
増田 義郎
4120038173
中央公論新社 2007-06
Amazonで詳しく見る
by G-Tools
完訳となると これかな?これも第一部のみなのかな?他は … 岩波版も端折りないんでしょうかね?

第一部のラスト どう考えてもスペイン人の皆さんが気の毒でなりません …

2008/09/30 | 18:32
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 女方 

花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)
三島 由紀夫



名女方・佐野川万菊の舞台姿に憧れ恋焦がれる青年・増山は
実際の万菊の姿を目にすることの出来る作者部屋の人となった
舞台を降りた生の姿に接しても減ずることのない憧憬の念
万菊の持つ 人工的なまでの澄んだ美 に魅了され続けてきた増山だったのだが …


『 あやめぐさ 』 の心得をそのままに 日常生活においても女らしさを失わない万菊。
一個人の生々しい感情を匂わすこともない姿、その振舞が増山の恋情を掻き立てます。
でも万菊さんも 人間 なんですな。この人にだって恋心はあるわさ。
って事を 増山が軽い戦慄とともに知覚する場面がなんとも素敵。
その後の彼ら それぞれどんな関係になったんだろね …

女方を描いた作品でよく女方のバイブル的な感じで登場する  『 あやめ草 』
これは 元禄時代に活躍した女方・初代芳沢あやめが
女方として舞台に立つ者の、舞台上や日常生活における心得を語った芸談集なのだとか。
実際 今でも目上の女方さんのことを おねえさん って呼んでらっさりますものね。
人生すべて舞台が為に。 凄いなぁ

2008/08/01 | 19:21
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 ゴリオ爺さん 

積ん読の山が部屋の一角をデ〜ンと占領している状態なのに
図書館から沢山借りてきちゃったよぅ。せっせと読まねばね。

ゴリオ爺さん (新潮文庫)
バルザック Honor´e de Balzac 平岡 篤頼
4102005056

バルザックの人間喜劇に手を出す。
お目当てはヴォートランなので ヴォートラン三部作のみですが。
『 ゴリオ爺さん(ペール・ゴリオ) 』 『 娼婦の栄光と悲惨 』 『 幻滅 』

『 ゴリオ爺さん 』 は
悲しく、愚かしくさえ見えるほどの父性愛に身を滅ぼしていくゴリオ爺さんの話と
出世欲に燃え、上流階級へ早く仲間入りしようと必死な青年・ラスティニャックの姿を追った物語。


ヴォートランは彼らと同じ安下宿に住む謎の男。
彼の説く反逆哲学とも言うべき精神をある部分認めつつも畏怖に心慄くラスティニャック。
ラスティニャックは結構 見目麗しい青年で、ヴォートランはそんな彼を 「 気に入った 」 らしい。
もともとヴォートランは 「 女が好きじゃない 」 そうで …
“ 将来見込みのある美しい青年 ” の後ろ盾になるのが好きなんだって v
以前も美青年の犯した偽造の罪を被ってやった経験あり。
その美青年とはその後も良好にお付き合いしておる様子です。

裏社会のカリスマ的存在ヴォートラン
言う事 やる事 時折見せる鋭い目つきがイイ。女あしらいも上手い。
荒っぽくはあってもある意味 紳士でもある。赤い髪が魅力的。かなり素敵な中年ですv

なんかヴォートランの微萌チェックばっかりで作品の感想は全然書いてないや。
って いつものことか(笑)
ヴォートランは
犯罪者から警察局長に転身した実在の人物・ヴィドックをモデルに書かれたそうです。

2008/04/25 | 19:47
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 久助もの 

新美南吉童話大全 (スーパー文庫)
新美 南吉
4062044129

久助少年が登場する短篇 “ 久助もの ” より 
今回は 『 久助君の話 』 『 川 』 『 嘘 』 の3編を。

『 嘘 』
5年生の久助くんは おたふく風邪に罹って5日間学校を休みました。
久しぶりに登校してみるとクラスに見知らぬ美少年がいます。
都会から転校してきたというその少年に興味を抱きつつ何故だか近寄りがたいものを感じて
遠巻きに見つめていた久助くんでしたが ある下校時に …


この3編、久助くんが友達との日常の中で想うことが描かれていますが
“ いつもの風景がある瞬間まったく見知らぬ世界に感じられてしまう ” という描写が多いせいか、
微妙な不安感が影に隠れて付き纏っている気がします。
ある一編では 「 人と人とは違うようでいても芯では繋がりあえるものだ 」 と気づき、
また他の一編では 「 日常で目にしている姿が その人の総てではないのだ 」 と悟る。
最後の最後には友は信じられるもの という想いと
たとえ親しい友でも立入れない部分がある という現実。
確かに どちらの想いも実際に大なり小なり感じたことのあるものだよな と。
新美南吉氏自身も 色んな想いに揺らいでいたのかもしれないですねぇ。
「 信じられる 」 に至るオチが一番強引でちょっと無理むりな感じがするのが
ヒネ目線の私としては 微苦笑を誘われるところです。

さて 微萌
『 嘘 』 に登場する転校生 その名も太郎左衛門くん は
名前こそ古臭く厳めしいですが その見目は 艶肌 艶髪 睫毛もふさふさ
久助くんの認識では はっきり 美少年。
田舎っ子の久助くんは都会から来た彼になかなか話しかけることすら出来ず、
ただただ見つめるばかり。 授業そっちのけで太郎左衛門くんを見つめてます。
でも ちょっとしたキッカケで距離が縮まり どんどん仲良くなっていくのですが …
ここで残念×
最初の 『 近寄りがたい美少年ぶり 』 やら 『 秘密めいた彼の家 』 などの
素敵なネタはあっさり吹き飛ばされ、太郎左衛門くんは地に塗れるのです。
素敵な美少年 が ちょっと鬱陶しい癖のある奴 になってしまうのです。あぁなんて急降下。
奇妙な (に見える) お姉さんの登場辺りまでは かなりヨカッタのになぁ。
あのまま超耽美やら超猟奇やらでイケそうだったのに … でも乱歩じゃないものね。

太郎左衛門くんはちょっと残念でしたが
『 久助君 …』 『 川 』 での久助くんと兵太郎くんがちょっとイイ感じ。
2人はよくジャレ合います。 仲良しです。
「 川からあがったばかりの、ぴかぴか光るおたがいのはだかんぼうを、
  おいしげった夏草の上でぶつけあい、くるいあって 」 そして笑い転げるふたり。
うん 仲良しです。

2008/04/13 | 21:27
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 失楽園 

悪魔の姿 絵画・彫刻で知る堕天使の物語
ウィル スティーズ ローラ ウォード 小林 純子
4775305999

文章はほとんど無く、思いっきり絵画、写真を堪能できるこの本に
ギュスターブ・ドレやトマス・ローレンス卿描く 『 失楽園 』 ( ミルトン ) の挿絵が
数点掲載されていました。
地獄に堕ちたサタンとベルゼブブの姿を描いた作品なのですが
他の悪魔絵と違って、両悪魔とも天使の時の面影を損なわないままの
麗しい姿で表現されていて、悪魔絵でこう言うのはアレなのかもしれないけど
なんとも目の保養 v

と来れば、読みたくなる 『 失楽園 』

失楽園 上 岩波文庫 赤 206-2
ミルトン John Milton 平井 正穂
4003220625


(以下 宗教的な思考は無しで純粋に 読み物 として感想述べてます。)
この作品って

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2008/03/19 | 20:20
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